●熊野地方「めはりずし」
めはりずしは、和歌山県と三重県にまたがる熊野地方に伝わる郷土料理で、高菜の浅漬けの葉でくるんだ弁当用のおにぎりです。新宮市のものは特に有名で、和歌山県の特産品として和歌山県推薦優良土産品に指定されています。千貼り寿司・大葉寿司・高菜寿司・芭蕉葉寿司と呼ぶ地域もあるそうです。「めはり」の由来は、この料理がかなり大きかったため、目を見張るほど口を大きくして食べたからとか、目を見張るほど美味しかったからという理由からこの名前がつきました。元来、麦飯の握り飯を高菜で巻き込んで作っていましたが、現在では白米を用いることが多くなり、時には酢飯も使われるようになりました。白いご飯に高菜漬けの汁が程よく染み、どこか懐かしいその味はとても美味。店によって味付けも異なるので、色々試してみては？

●東紀州地方「イガミの煮付け」
イガミとは、こちらの方言で冬のブダイのことで、煮付け魚として珍重されてきました。イガミと聞いてピンと来る方はあまりいらっしゃらないかも知れませんが、田辺近辺ではこれがないと正月を迎えられないというくらいメジャーで、なくてはならない魚なのです。作り方もとっても簡単。大きい鍋に、料理酒・みりん・砂糖に・薄口しょうゆ・濃い口しょうゆを混ぜた調味液に魚を入れ、魚の半分から3分の2程度がつかるように液をかけます。梅干しを入れ、ふたをして強火で沸騰させます。煮汁はこまめにかけてあげて下さい。「磯臭い」と敬遠されがちのイガミですが、処理や調理をしっかり正しくすれば、まったく気になりません。その煮汁は、煮こごりにしても、美味しく食べることができます。

●和歌山県北部「和歌山ラーメン」
和歌山でラーメンが食べられるようになったのは戦前からと言われ、昔から現在まで、多くの和歌山ラーメンの店が県内には点在しています。和歌山は醤油産地に近いためか、和歌山ラーメンは醤油ベースの豚骨醤油味と、豚骨ベースの豚骨醤油味の二種類が主流となっています。麺の特徴は、縮れのない平打ちの細麺が一般的で、色は黄色く、茹で具合は好みのタイプでも美味しくいただけますが、主に、ツルツルとした喉越しが楽しめる固めの茹で方が好まれています。そして、蒲鉾、またはかまぼこ型にナルト模様が入った「千代巻」がトッピングされるのも和歌山ラーメンの特徴です。地元では「和歌山ラーメン」とは呼ばれず、「中華そば」という名前で親しまれているとか。




一獲千金

●みなべ町「紀州南高梅」
梅生産量日本一を誇る和歌山県を代表する最高級品種で、果樹王国と謳われている紀州和歌山のブランド梅であるだけでなく、梅のトップブランドとして、その名は全国に知られています。南高梅を使用した梅干しは最高級品とされ、通常の梅干しに比べてなんと2倍以上の価格差がつくことも。果実は非常に大きく、種は果実のわりに小さめであり、果肉が厚くて柔らかいのが南高梅の特徴。フルーティな味わいはその確かな質を教えてくれます。また、梅には抗菌作用・唾液分泌促進・疲労回復・抗酸化作用・カルシウム吸収促進・血流改善・胃を守る効果・ミネラルバランス・肝機能亢進・風邪の予防などの、沢山の効能があります。身体にもいい南高梅を和歌山の思い出にいかがですか？

●有田市「有田みかん」
日本屈指のみかん生産地である紀州和歌山を代表するブランドみかんです。有田では古くからみかん栽培が盛んであり、有田みかんの名は全国的にも有名です。品質の高さ・味の濃さ・味のバランスでは、どこの産地にも負けません。有田みかんの特徴は、オレンジなどの柑橘類に比べて皮が薄いこと。手で簡単につるりと剥くことが出来ます。味の濃さと甘さもピカイチ、最高糖度はなんと15.4度だそう。果実を包む袋である、じょうのう膜が非常に柔らかく、弾けるような食感は最高です。みかんには、新鮮でビタミンがいっぱい、また、ガンの予防となる成分のベータクリプトキサンチンが一番多く含まれています。有田独特の段々畑で、太陽の光をいっぱいに浴びた、おいしさ満点のみかんです。

●御坊市「金山寺味噌」
和歌山の推薦優良土産品に指定されている「金山寺味噌」は、調味料として使われるものではなく、おかずやおつまみに食べられる、いわゆる舐め味噌の一種です。その歴史は長く、遥か750年前の鎌倉時代、僧侶が中国に渡りその製法を学び帰って、広まったと言われています。大豆・もろみ・なすび・瓜・紫蘇・胡瓜等から作られ、熟成期間は1週間から長くても3ヶ月ほどだそう。熱々のご飯にちょこっと乗せて食べても良し、モロきゅうのように、胡瓜に合わせても良し。ですが和歌山の一番メジャーな食べ方は、番茶で炊いた「茶粥」に乗せて頂くという食べ方。和歌山県民にとって、お粥は病気をした時に食べるモノではなく、日常的に食べるモノなので、昔からよく親しまれている食べ方だとか。



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